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外壁塗装の塗料には、付加的な機能をさせた塗料というものがあります。添加剤というものなのですが、今回はこの添加剤を紹介していきます。
塗料の添加剤とは?
外壁塗装に使われる塗料には様々な添加剤が使われています。この添加剤とは、塗料そのもの品質を安定化させるためや、塗装するときの作業性を向上させる役割や塗装後の塗料にカビなどが付着しないようにする働きというものもあります。
主な添加剤は下記の通りです。
- 界面活性剤
- たれ防止剤
- 消泡剤
- 色別れ防止剤
- 防腐剤・防かび剤
- 可塑剤
- 皮張り防止剤
- レベリング剤
界面活性剤
脂肪酸や有機酸、金属塩などが使用されています。家庭用の洗剤などにも使用されています。
塗料に使用されている界面活性剤の役割は、表面張力を低下させたり顔料を固まらせず、塗料の中に均等に分散させる働きや保管中の沈降防止剤としての役割を持っています。
注意すべき点として、沈降防止の効果があるとはいっても、比重の異なる物質を混ぜあわせているので、塗料を使用するときは、良くかき混ぜて使用することが大切になります。
たれ防止剤
刷毛やローラー、吹き付けなどの塗布作業に適した粘度に調整しつつ、粘膜の流れ落ちを防ぎ、付着性を高めるためにペントナイド、脂肪酸アミド、金属石鹸などが使用されます。
消泡剤
塗料の製造時や刷毛やスプレーガンで塗布したときに空気を巻き込んで気泡が発生し、その気泡が塗膜の表面に残る場合、乾燥後に円形の気泡の跡がつくことになります。このような泡を消すためにシリコン化合物、ビニル系化合物など使用されます。
色別れ防止剤
種類の異なる2種類以上の顔料を混ぜあわせた場合、それぞれ顔料の差によって色別れが発生し、色ムラになってしまうことを防ぐために、界面活性剤やシリコン化合物、レシチンが使用されています。
防腐剤・防かび剤
カビ菌は、ゴミやほこり、その他あらゆる有機物を栄養とします。特に塗料に含まれる界面活性剤は、非常に好む栄養源となってしまいます。
そのカビ対策のためには、有機水銀化合物や有機すず化合物が有効なのですが、有害物質のために使用禁止になっています。そのため現在は、有機塩素化合物やフェノール系化合物が使われています。
可塑剤
DOP(デイオクチルフタレート)、DBP(ディブチルフタレート)やひまし油が使用されます。塗料の柔らかさや肉持感を持たせ、付着力を高めので、アクリルラッカーや塩化ビニル系塗料に使用されます。
皮張り防止剤
塗料の貯蔵中の空気と接する表面に皮が出来る現象を防ぐために、フタル酸樹脂エナメル、合成樹脂調合塗料に添加されます。過剰に加えることで、乾燥が遅くなるので注意する必要があります。
レベリング剤
塗膜の流動性を良くしてロール目などが出ないようにするために、アクリル系重合物などが使われます。
塗装後に必要な添加剤
塗装後に機能を発揮するのは、下記の添加剤です。
- 粘着防止剤
- すり傷防止剤
- 艶消し剤
- 紫外線吸収剤
これらのものがあります。
粘着防止剤
汚れの付着や梱包剤の付着を防止する添加剤になります。
すり傷防止剤
塗装にすべりを持たせたすり傷を防止する添加剤になります。
艶消し剤
塗装のつやを調整する添加剤です。
紫外線吸収剤
紫外線に対して抵抗力を持たせる添加剤です。
まとめ
塗料には添加剤を混ぜることで、様々な機能を付与することが出来ます。
- 製造時に必要な添加剤
- 貯蔵するときに必要な添加剤
- 塗装のときに必要な添加剤
- 塗装後に必要な添加剤など
このようなものがあります。どの添加剤も必要なのですが、直接リフォームなどで関わってくるのは、塗装後に必要な添加剤です。
添加剤を添加するだけで、熱に強くなるもの、ゴミがつかなくなるもの、氷結しにくくなるものなど様々です。
外壁塗装によって外壁を長期間維持するためには、塗料のみならず添加剤の機能まで気に掛ける必要があります。