サイディングボードとは、家の周りの壁を形成する外装材であり、モルタルに代わり新築住宅の78.5%に採用されています。今回はサイディングボードとモルタルのメリット・デメリットを比較してみましょう。どちらが素晴らしいというわけではないのですが、メリット・デメリットを知って選択をした方が、何かあった時に後悔は少なくなるのではないのでしょうか。
サイディングボードのメリット
サイディングボードは、工場で塗装などの加工をして完成した状態で現場に運び込まれてくるものであり、左官職人の技術に左右されることなく、安定した品質を誇っています。また、乾式工法という工法を採用していますので、すでに乾いた状態であと家の周りに張り付けていけば完成します。
そして、サイディングボードのメリットとしては、下記のものを挙げることができます。
- モルタルでは表現できない模様を選ぶことができる
- さまざまな種類の柄から選ぶことができる
- 複数職の柄もある
- 軽いものがあるので家への負担が少なくて済む
- 安価で導入ができる
- 品質が安定している
このようなメリットがあります。モルタルでは表現できない模様や品質が安定しているというところが、点数が高くていいですね。
モルタルのメリット
次にモルタルのメリットを見ていきましょう。現在はサイディングボードに主流の座を明け渡してし、大きく溝をあけられてしまいましたが、現在でも根強い人気があります。
湿式工法と呼ばれる工法であり、水やシンナーなどの液体と混ぜて壁へ塗っていきます。左官業者の技術に左右される面もありますが、モルタルのメリットは次のようなものがあります。
- 昔ながらの模様を再現することが可能
- 部分的な補修がしやすい
- 目地と呼ばれるつなぎ目がない
これらがメリットとして挙げられます。ひびが入ったときなどには部分的に補修をすることができ、コスパに関しては高いといえます。モルタルでなければ表現することのできない模様もあります。また、目地と呼ばれるつなぎ目がないので、外壁を非常にきれいに仕上げることが可能です。
サイディングボードのデメリット
では、サイディングボードのデメリットを見ていきましょう。
- メンテナンス費用が高い
- サイディングボード以外のメンテナンスもしなければならない
- 古くなったらサイディングボードごと交換する必要があり費用が掛かる
- 反りや割れといった不具合が起きやすい
このようなデメリットがあります。大きなデメリットはメンテナンス費用でしょうか。モルタルとは異なり、サイディングボードにはつなぎ目があります。そのつなぎ目を埋めるために、コーキング剤などを注入しなければなりません。また、塗料の寿命もありますので、メンテナンスの費用がモルタルと比較をすると高額になるケースが多々あります。
モルタルのデメリット
では、モルタルのデメリットを見ていきましょう。
- 重いので家への負担が大きい
- クラックができやすい
- デザインを凝ってしまうと高額になる
- 左官業者の技術にできが左右されてしまう
このようなデメリットがあります。モルタルは湿式工法なので、水分が蒸発して乾燥をすると収縮しすぐにひびが入ってしまいます。現在においてもひびが入らないよう工夫がされていますが、ひびが入ることに関しては仕様です。家が落ち着くまで数年間はひび割れが続きます。
また、重たいので地盤が緩い場所、液状化現象が起きてしまったら沈み込んでしまうリスクがあります。
さらに、左官業者の技術力にもできが左右されてしまいます。決算期などは工程を前倒しにして作ってしまう業者も存在しますので、信頼のできる左官業者を見つける必要があります。
まとめ
サイディングボードとモルタルのメリット・デメリットを紹介しましたが、結局のところは住む人が満足するデザインを選ぶのが一番であり、どちらが圧倒的に優れているというわけではありません。
どちらがいいのかは、施工業者の人と決めてみるのがいいでしょう。